世界新経済制度への提案概説

下に掲載するスプトニクの記事を読んで、世界新経済制度への提案概説

下に示す記事の、IMFの提案が示された内にも、様々な問題が含まれ、それらを揚棄するためには、現在の世界経済システを二層化するしかないだろう。

 

世界経済体制のリセット
例えば、IMFが第一に提案する「グレート・リセット」とは、「過去の経験に目を向ける必要があるとの見解を示している。」「公的債務の高まりに関する問題を調整する」こと「債務が持続不可能となっている場合には、速やかに債務を再編する必要があると指摘している。」ことと述べているようだ。

それが各国の承認のもと世界的経済と各国の経済の債務と債権の無効化が同時に行われることを意味して、それで世界経済の平準化(+−ゼロ=リセット)が行われ、世界経済活動の再出発、再活動と再発展性を確保できるとしても、そのことで新時代の経済システムが自然に誕生するのではない。

債務と債権の無効化はギリシャ時代「ソロンの改革」に実例がある。

またドイツの第1次大戦の戦争被害の莫大な補償債務となったが、それについての言説には欧州各国が帳消しにしてあげて、それによってヒットラーの興隆と政権の経済政策遂行が可能となったとか、第二次世界大戦後にドイツは第一次、第二次の補償を完済したとかの話にもなっているが、果たしてモラトリアムがあったとしても莫大な補償額を完済できるだろうか?。実態は政治取引のことで定かではない。

 

さてもしそのような例のように、同時債権債務の帳消しの「グレートリセット」が行われも、現にある経済システムの問題(矛盾)とそれによるその他の問題が解決するわけではなく、むしろ世界経済は早晩頓挫することになるのではないだろうか。

 

 

国際経済問題を解決するには


IMFの提言の意図と債務と債権の無効化の話しとは別にして、下のスプトニク記事でも触れられているような、地球的な経済的問題やその他の問題郡を揚棄するためには、さらにIMF提言が自らの国際通貨監視管理の役割や、金融流通経済学のあれこれの手法問題を超える内容となっているように、「古典経済学」の理論に立ち返る必要があることを表しているだろう。

そこで以下、国際的経済の問題郡を揚棄する提案となるが、現在の世界経済システを二層化するしかないのではないだろうか。

 

世界経済制度の2層化とは

その第一層は、世界各国の共通認識としてビットコイン(金の経済的特性)の特段的、特権的措置をし、原則的に為替扱いと証券化等をしないことを条約・確約化すること。(ビットコインだけは投機対象にさせず、しかし第二層目の経済動向により特別措置としてビットコインの平準的価値と価格の変更が必要になる可能性を含むため)
この公平さと世界共通認識とそれによる確約的保全性と経済政策(民主的共同管理、基軸通貨、決済、流通性等の管理)によって、世界経済信用性と安定性を確保すること。
こうして世界経済の安定性(=権威と信用の不変性)を確保する
ことができる。

二層目は基本体制は現行の世界経済システム(IMFや国際銀行などでも)のままにして、一層目のそれに対応する点を若干の手直しをすればいいのではないだろか。
こうして現在もある国際経済の自由性が確保されるが、それ故にその自由勝手に動く各国の貨幣評価価格(価値)や景気の不安定性が生まれることにもなるのだが、第一層の世界的安定性がガードラインを形成することになる。
さらに一層が国際慣行化する中で、現在ある二層目の諸問題も徐々に解消化されていくのではないだろうか。

こうした二層構造世界経済システムの掏冶性と順応性、可塑性(有機的変容性)を確保し諸問題を調整できるのではないだろうか。

従って、もちろんのこと各国の経済政策が国内経済矛盾とその問題と、その解決の様子を決定するので、新国際経済システムが直接的に介入、もしくは影響を与えるものではないだろうが、新時代経済システムに順応できない国は不利益を被ることになるだろう。

 

諸問題を揚棄するとは

諸問題が発生する要因には、各世界的企業とその国の自由勝手な、無原則な、自制するすることがない、全体を見られない、活動目的が利潤追求にしかない、大規模な、結果責任を持たない、等など、その他の人間とその社会、国、自然、地球的な関連から生まれる様々な因子があることによって、起こっている。

従ってそれらの問題が複雑に関連しあい、またそれぞれの問題に含まれる有用性が関連しあい、時間と空間とも関連する問題郡を同一的に解決しうる、高次の解を求めることを、命題を止揚するとか、問題を揚棄するとかいう。

 要は、それらの問題は経済問題の次元を超えて、もはや哲学的次元の命題となり高次の抽象性の能力が求められるため、経済や政治、法律などの個々の知力では理解できない、あるいは理解し合えないという、歯痒い性質を持つことになっている。

 

それら問題や命題の性質を踏まえて分かりやすく言えば、

つまり新国際経済システムにより、各国の経済成長と政治的成長を促すことになり、その発展性による総合的な信用が「見えざる手」となるのではないだろか。
さらに、新経済制度の2層構造の一層目は、世界経済発展のための世界セイフテーネットが作られるとも言えるのではないだろうか。
あるいは新自由主義経済がもたらした地球的諸問題を解決するための、新国際福利主義(第二次、新ケインズ主義)だとも言えるのではないだろうか。

このように補足すれば、おおよそのイメージや主意を理解していただけるのではないか。

参考
当該スプトニク記事執筆者がIMFのどの記事を対象に論じているのか不明だが、内容に沿うような論調が以下の2つだろう。
https://jp.weforum.org/agenda/2020/06/gure-to-risetto-no/
https://www.imf.org/ja/News/Articles/2020/10/15/sp101520-a-new-bretton-woods-moment

各国際経済諸問題は以下を参照
https://jp.weforum.org/





以下スプトニク記事


1944年の計画に倣って世界経済のリセットを提案するIMF
2020年10月26日 17:50(アップデート 2020年10月27日 13:03
筆者 : リュドミラ サーキャン

スプトニク日本記事

https://jp.sputniknews.com/business/202010267881619/



世界通貨基金IMF)の代表は、新型コロナウイルスの感染拡大によってもたらされた世界経済の影響を払拭するためには過去の経験に目を向ける必要があるとの見解を示している。
IMFが提案するのは、第二次世界大戦末期、米国ニュー・ハンプシャー州のブレトンウッズで、ナチス・ドイツに勝利した後の国際金融機構の機能に関する協定が締結された1944年の計画に倣い、経済回復のための新たな世界的なシステムを構築するというものである。
ブレトンウッズ協定は44カ国によって調印され、ブレトンウッズ体制と呼ばれるようになった。
IMFは、現在、世界は「新たなブレトンウッズのときがきた」、つまり、経済の価値を見直し、リセットするときがきたとの見方を示している。

IMFのクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事は、「わたしが世界経済にとっての「長い道のり」と読(呼の誤字か?)んでいる道のりがわたしたちの目前に控えています。
困難で、ばらつきが大きく、不確実で、そして幾度かの後退もありそうな登り坂です。けれども、これは上へと進む道なのです。そして、わたしたちはいまも続く問題の一部、つまり、低迷する生産性、大きな格差、迫り来る気候危機に対処する機会も得るでしょう。
パンデミック前の世界を築きなおす以上に、優れたことがわたしたちには可能です。
未来を見据えて、より強靭で、持続可能性が高く、あらゆる人々のためになる包摂的な世界を構築することができます」と述べている。

IMFが提案しているのはどのような措置なのか?
一つめは公的債務の高まりに関する問題を調整するというものである。
IMFは、2021年に債務水準が大幅に高まり、対GDP比で見ると、先進国でほぼ125%、新興市場国で最大65%、低所得国では50%くらいになると予測している。そこで、リスクを注視し、債務が持続不可能となっている場合には、速やかに債務を再編する必要があると指摘している。

またデジタル技術の導入の必要性も訴えており、これは貧困を克服するための金融包摂の発展を促すものだとしている。

一方、人的資本への投資は経済の成長と強靭性を支えるものである。こうした投資の中には、信頼性が高く、誰もが享受できる保険システムも含まれている。また格差が深刻化し、技術革新が進むなか、絶え間ない教育と職業的訓練を行い、また男女平等を達成することも必要である。これに関連してIMFは、男女格差がもっとも大きい国では、それを解消することによって、GDPを平均で35%増加させることが可能だとしている。またインターネットの大幅な発展とアクセスの確保も重要である。というのも、インターネットによって若者に、将来の発展にきわめて重要なデジタル経済に参加する可能性を与えるからである。
そして、もう一つ重要なのがグリーン経済へのスムーズな移行である。過去10年間における気候変動に伴う自然災害による直接の損失はおよそ1兆3,000億ドルとなっている。

IMFの提案はどれほど差し迫ったもので、どれほど実現可能なものなのか?
スプートニクはこれについて、ロシア高等経済学院、世界経済・世界政治学部のイーゴリ・コヴァリョフ副学部長にお話を聞いた。

「世界の繁栄は、国際的な経済関係―つまり製品やサービスの貿易の成長、また世界における労働力、資本、アイデアの流れに直接的に左右されます。現在のコロナウイルスパンデミックは多くの国の経済はもちろん、国際的な経済関係全体に打撃を与えました。ですから、単にパンデミック以前の発展レベルに戻すだけでなく、世界の金融・経済活動全体を近代化することが必要不可欠なのです。IMFの提案はもちろん一理あります。

とりわけ、デジタル経済、気候変動との闘い、コンピューターへのアクセスを世界中の人に等しく保障することなどは重要な問題です。しかし、これは決して新たな課題ではありません。これまでIMFがそれを実現できなかったのはなぜでしょう。
現在、すべては以前に比べて、より複雑になっています。もしブレトンウッズ協定に金融市場の主要なプレーヤーである44カ国が署名したとしたら、現在そのようなコンセンサスを得るのは簡単なことではありません。
なぜなら、この間に多くの変化が生じているからです。世界経済における中国やロシアの役割は拡大しており、最近ではさらに、競争の激化、保護主義、貿易戦争、古い自由主義の崩壊を背景にした制裁などが起こっています。
それぞれの国と国の間で、あまりに多くの矛盾や互いへの要求が蓄積されてきました。米国は自らの主導的地位を守るためにありとあらゆることをするでしょう。しかし、中国やロシア、またEU諸国もこれには反発しています。IMFの問題提起は正しいと思いますが、それを実現するためのメカニズムはまだ見えてきません」。

ブレトンウッズ体制という、決済と為替レートの国際システムは1944年から1976年まで30年以上にわたって機能していた。ブレトンウッズ体制は、第二次世界大戦後の世界経済を建て直し、新たなレベルに引き上げることを目的に確立されたもので、それにより、ドルは金に裏打ちされた数少ない通貨の一つとして、国家間の決済および準備金保管のための手段となった。
ブレトンウッズ体制は、戦後の貿易の拡大と世界経済の加速化をもたらし、この問題にうまく対処したと考えられている。
そしてほかでもないブレトンウッズで開かれた会合で、世界銀行IMFの創設が決定した。しかし、その後、発展し続ける国際貿易のために米ドルだけでなく、さらに多くの手段が必要となったのである。そして1978年までには、ほとんどの国は変動相場制へと移行した。

後日添削あり。